臨床工学科
臨床工学科
臨床工学科は、臨床工学技士という国家資格を有した者の集まりです。 2023 年現在、臨床工学科には、臨床工学技士 21 名が在籍しております。当院での業務は、主に血液浄化業務と医療機器管理業務を中心に行っています。また、チーム医療におけるタスク・シフト/シェア が推進される中、心血管カテーテル業務・手術室業務・内視鏡業務など業務拡大を行っています。
臨床工学科紹介
部長 松村 昌樹
臨床工学技士は医療機器の専門医療職であり、病院内で各種の医療者とチームを組んで生命維持装置の操作などを担当します。また、医療機器がいつでも安心して使用できるように保守点検を行っています。
当院の主な業務は、血液浄化業務、呼吸療法業務、心血管カテーテル業務、手術室業務、内視鏡業務、医療機器管理業務となります。
院内の医療機器を安心して使用して頂けるよう臨床工学科スタッフ一同、心を込めて日々の点検や業務を行っています。
係長 佐野 浩之
医療分野における機器の進歩と同時に、専門職種として臨床工学技士が担う業務の必要性が重要視されています。施設によって業務の違いはあれ多職種間でのチーム医療が必要とされる現在、業務連携や知識の共有が必須です。その中で臨床工学技士として知識・技術の提供及び情報共有を担っています。
日々の業務での技術磨きはもちろん、新しい知識を得るためにセミナーに参加したりと有効な自分磨きを怠らずにと考えています。
臨床工学科の理念
- 当院の理念を実践し、率先して患者様のための業務に取り組みます。
臨床工学科の基本方針
- 我々は、患者様とその家族の皆様の立場に立って、高度な医用治療工学技術を提供します。
- 我々は、常に患者様とその家族の皆様の人権に配慮し、確実な医用安全工学技術を提供します。
- 我々は、日々努力研鑽し、最高水準の医用工学技術をすべての人に提供します。
血液浄化業務
当院の血液浄化室は、 2013 年 7 月より新棟へ移転し 1 階と 2 階にそれぞれ分かれています。 1 階113 床、 2 階が 15 床となっており、月~土曜日 1 日 2クールの人工透析業務を行っております。
患者数は 400 人以上となり、コンソール全台が ON-lineHDF 対応可能であり、病院において北関東一のベッド数を誇る血液浄化室となっています。
当院では、血液透析療法以外に腹水濃縮濾過( CART )や血漿交換療法( PE )、血液吸着療法( LDL 吸着、薬物吸着etc)などの血液浄化療法全般を行っています。
中央医療機器管理室
中央医療機器管理業務
中央医療機器管理室での主な業務は、輸液ポンプ、シリンジポンプ、人工呼吸器などの各部署への貸出、各機器の修理・定期点検などを行っています。人工呼吸器をはじめとする医療機器を常に安全に使用できるように保守・点検・管理業務を行っています。
臨床工学科中央医療機器管理室、保守点検室
機器返却室・保守点検室では、貸出機器の返却口兼、機器の使用後点検や定期点検・修理などの保守点検作業を行います。各機器の修理講習修了者が点検・修理を行うことにより、部品のみの供給で、安価に使用復帰出来機器の使用不能期間短縮が可能になります。
中央医療機器管理体制の必要性
中央管理体制は、使用時に貸出→使用→返却→点検というサイクルを確立し、危機を介して感染防止や機器の異常早期発見が可能になります。また、今まで看護師が業務の合間に行っていた点検を中央管理化することで臨床工学技士が点検を担いますので、看護師がより看護業務に専念できます。
院内ラウンド
人工呼吸器が稼働中は、午前と午後人工呼吸器の稼働中点検を行っています。主な点検内容は、駆動源の確認・回路接続部等からの漏れ・設定値と実測値の確認・適正カフ内圧確認です。人工呼吸器の交換も臨床工学技士が行っています。
また、医療機器をはじめとし医療材料など医療安全に関与するものに精通する職種として人工呼吸管理化のみに関わらず、院内を歩いているときには常に目を光らせています。
VAAG・PTA業務
当院では、シャント部の狭窄音発見時等に血管造影(AG)を行い、必要に応じてバルーンを血管内に挿入し、狭窄部を拡張する経皮的血管拡張術(PTA)を行っています。
そのAG・PTA業務において、医師の直接介助と間接介助を臨床工学技士が行っており、その際に必要な物品の管理も臨床工学科で行っています。
PTA施行により、シャント閉塞を未然に防ぎ、シャントを長く使用することが出来ます。
学会発表など
医療機器の安全に関する研修会と題して、毎月臨床工学科主催の院内研修を行っています。さらに、新卒の看護師や病院実習生を対象とした研修会をはじめ、随時勉強会を実施しています。
第 68 回日本透析医学会学術集会。総会( 2023 年)
- 過酢酸洗浄剤変更による効果の検証
- 超音波検査を用いた バスキュラーアクセス 管理による PTA 件数等の検証
第 67 回日本透析医学会学術集会・総会( 2022 年)
- ビタミンE 固定化 ヘモダイアフィルター「 V-22RA 」の臨床評価
- PMMA 膜 ヘモダイアフィルター 「 PMF-21A 」の使用経験
第 66 回日本透析医学会学術集会・総会( 2021 年)
- 透析施行中の運動療法への取組み
- 原水が原因と思われる DRO 装置 トラブル の経験(第 2 報)